創立10周年を振り返って

KICS代表幹事 四条繁栄会商店街振興組合理事長
高橋亮太郎

KICS(きょうと情報カードシステム)が創立され、10周年の記念すべき節目の年を迎えられましたことを心からお祝い申し上げます。

貴会は、平成4年の創立以来、情報化社会が進展する中、全国に先駆けてデビットカードの実用化に取り組まれ、加盟店の拡大を図られるとともに、カードシステムの充実、インターネットショッピング、物流・宅配事業の推進など常に時代の流れを先取りした積極的な取組により、商業の振興発展や消費者利便の向上に大きく貢献されてこられました。これは、中小小売業が中心となった情報化の取組としては、その規模、先進性の面で全国に例を見ないものとなっております。

京都は、豊かな歴史や文化・伝統の蓄積を背景に、ユニークなベンチャー企業を輩出してきた地であり、古き良きものと新しい先進的なものが常に融合しながら発展してきたという特徴があります。全国各地から入洛されるお客様に気軽に買い物をしていただくため、どんなキャッシュカードでも受け入れようとするKICSの取組も、昔ながらの「おもてなし」の精神から始まり、先端のハイテク技術を駆使してこれを実現するという、京都ならではの取組であります。こうした新しい取組に次々に挑戦される、高橋代表幹事を中心とする会員の皆様の御熱意と行動力に対し深く敬意を表する次第であります。

さて、長引く不況により消費が低迷する中、商店街をはじめとする小売商業を取り巻く環境の変化には誠に大きなものがあり、大変厳しい状況にあります。しかしながら、こうした中で、デビットカードをはじめとしたカード事業の取組、更にはブロードバンド時代の流れに対応するための加盟店によるホームページ制作、Eメールによる顧客との情報交換、また通信販売による電子商取引等のIT活用によって、小売商店でも世界的規模で商品・サービスが競える時代を迎えております。こうしたIT活用は、顧客との新しいネットワークや社会経済の大きな変化を生み出し、町の賑わいや商業の活性化を促す大きな契機になるものと考えております。

京都府といたしましても、府内各地の中小小売業や商店街の活性化と街の賑わいの創出に向けて、ハード・ソフトの両面から施策に取り組むとともに、あわせて、情報格差を生じさせないための情報リテラシーの向上、情報通信基盤の整備や電子商取引における消費者保護の問題など、急速な情報化の進展に対応できる環境整備に今後とも全力を尽くしてまいる所存であります。

この記念すべき創立10周年を契機として、貴会が一層結束を強められるとともに今後一層の御発展を心からお祈りします。

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