創立10周年を振り返って

伏見大手筋商店街振興組合
池上嘉悠

 

記憶は定かでは無いですが、確か13、4年前だったと思います。当時大手筋商店街の理事長より「なんか京都の商店街でコンピューターを使ったネットワークが始まるらしいので、ちょっと行ってきてほしい」と、依頼されて何やら分らないままに顔を出したのが長い物語のプロローグになりました。

最初、まったく知らない人達が集まって会議をするので大変緊張していました。その時の議題は四条繁栄会が先行していたクレジットカードの一括化の説明だったように記憶しています、とりあえずカードの手数料が安くなるのであれば参加をしたいという思いもありましたが如何せん皆さんが誰やらも判らないところから第一歩を踏み出したわけです。

当時の私は京都の中心地域にある有名商店街に対し、ライバル心というかひそかな闘志を持っていましたので1、2回の顔合わせでなかなか心を開けないところへ、当時クレジットカードと言うものはまだ個々の商店では認知されておらず、カードに対する商店主の気持ちは「そんなカードで買い物をされておまけに売上の5%を取られ直ぐに現金化できないものは扱いたくない」と、言った意見が大半でした、しかし先進国の様子や消費者の利便性安全性を考えると現金以外でお買い物をしていただく選択肢が増えることを優先し前傾姿勢で会議に臨んでいったわけです、最初は戸惑うこともありましたが回を重ねるごとに各商店街と打ち解けて話し合える場が築けたことは本当に素晴らしい事だったと思います、そうした参加委員の気持ちの融合と共に忌憚のない意見の交換が始まり商店街情報一括処理へ向かってお互いの信頼関係が生まれた結果、ようやく同じスタートラインへ立つことができたのです、又、京都市行政の中でも地域経済の活性化が求められ京都におけるカード化のためのオピニオンリーダーが求められていたということもあって「KICS」の前身である京都8商店街連盟(仮称)が発足したように認識しています。

当初はネットワーク研究のために全国各地で研修会が開かれ私自身も各企業の最先端技術を見聞し大変勉強させて頂き、又楽しい思い出も沢山頂きました、ただ苦労したのはしっかり勉強をしないと自分の商店街に帰ってカードに対して前述の意見を持っておられる組合員様方に説明が出来ないと言う事になりますので必死で勉強をしました、理解していただけない組合員様から最後には「おまえの話は良く分らんがそんなに言うなら付き合うわ」という事で参加していただいた思い出があります。
後日その会員様から参加して良かったと言われた時本当に嬉しかった事が私たちが苦労し取り組んでいる事への正しかった証しと確信を得た瞬間でした。
その後多くの金融機関やカード会社が参加し今に至っていることは皆様が周知のことと思いますので割愛させていただきます。

またこのプロジェクトにご協力頂いた行政初め関係された各企業の皆様には大変感謝しています多くの方の知識、知恵そして理解で出来上がったこのシステムに私が関われたということは私個人の中の“プロジェクトX”であり生涯忘れられない思い出になっています。現在私の息子がこのプロジェクトに関係させて頂いているのでまさに親子2代に渡ってと云う事になります、若輩ですが皆様のご指導宜しくお願い致します。

最後になりますが現在のKICSへと繋がって行けたのは四条繁栄会のリーダーシップがあればこそと感謝しています。
ご担当の方には健康に十分留意され、まだまだ京都活性のためにご活躍頂きたいと念じています。私事になりますが事業を息子に引き継ぎパソコン塾を開き(もう4年が経ちました)生徒さんにパソコン指導をしています。健康管理としてはプールで週3回泳いでいます、また何時か皆様とお会いできることを楽しみにしています。

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